十条駅から歩く

十条駅南路傍 北区上十条1-10

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埼京線十条駅の東口から広い通りを横切ってコンビニの脇の細い道に
入ると、右手に小堂が立っている。

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右 庚申塔 天保15(1844)風化が進む。正面に「庚申塔」右側面に年号。
台の正面には原講中と刻まれていた。

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左 馬頭観音坐像 表面が溶けている。脇に立てられた説明板によると
文化9(1812)に創建されたものだという。

聖観音堂 北区上十条3-25-2

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十条駅西口から商店街を西に抜けたあたり、長泉寺の東脇に観音堂がある。
塀の前に三体の石仏が並んでいた。お堂に不審者が無断宿泊するとかで、
鉄の柵が張り巡らされ中には入れなかった。

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左 庚申塔 延宝5(1677)日月 青面金剛立像 三面六臂。江戸初期の作品らしく
かなり個性的な構成である。普通六臂のうちひと組の手は体の前で合掌するか
剣とショケラを持つが、ここでは六臂すべてが開かれていて下の手には索と
蛇を持つ。法輪を持つ手も上右手はあまり見ない。彫り自体は細かく美しい。
右脇に「奉造立青面金剛尊像一躰二世安楽処」左脇に年号。続いて施主敬白。

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下部には小さく二鶏が彫られ、さらに三猿が続く。邪鬼は見当たらない。

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中 頭から白い布をかぶり、ややうつむき加減に佇む美しい白衣観音立像。
中に入れないので確認できないが正面の「奉納」以外に文字は見えない。
残念ながら造立年など詳細は不明。

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右 大日如来立像 天明3(1783)これもなかなか美しい。近くで拝見したいものだ。

姥ヶ橋延命地蔵堂 北区上十条4-12-4

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環七の姥ケ橋交差点のところに姥ケ橋延命地蔵堂がある。敷地の端に
ひっそりと庚申塔が立っていた。

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庚申塔 造立年不明 正面 日月雲「庚申塔」左側面 これより 左 川口。
右側面 これより 右 王子。日月雲、文字は彩色されていた。

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延命地蔵尊 享保9(1724)と子育て地蔵尊。近所の人が手を合わせてゆく。

環七南駐車場隅 北区十条仲原2-15

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姥ヶ橋から環七を東に5分ほど歩き、駐車場の脇を右に入ったところに
小堂が立っていた。中には庚申塔が見える。

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庚申塔 宝暦4(1754)日月雲 青面金剛立像 剣・ショケラ持ち六臂?八臂?
遠目で見ると前手の他に三組の手が彫られているように見える。

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近づいてみると前面がかなり風化が進み、ショケラもはっきりしない。
日月雲ははっきり彫られ、青面金剛の頭の真ん中にドクロが見えている。
矛と法輪。弓矢を持つ手。その下は手だろうか?衣服の一部か?

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膝をついた三猿も珍しい。正座して反省中?足元の邪鬼は身を乗り出して
下の三猿を眺めているようだ。両脇にいる二鶏も、三猿を責めているのか?

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小堂の板の隙間から塔の側面を確認した。右側面に年号。左側面 庚申講中。

日枝神社 北区十条仲原2-6

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さらに環七を東に歩くと南北に伸びる十条富士見銀座商店街とぶつかる。
商店街の一番北の路地の先に日枝神社があった。鳥居の先、右側が庚申堂。

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庚申塔 延宝4(1676)板碑型、正面を彫り窪めた中に 日月 青面金剛立像 
三面六臂。六本の手に法輪、矛、剣、法具?、蛇、鈴を持つ。ここでも
すべての手が後の面に彫られている。さいたまではほとんど見たことが
ないのに、聖観音堂の庚申塔に続いて、十条で二つも見れるとは面白い。
三組の手の組み合わせが、上、中、下ではなく、点対称の組み合わせ?
なんだか不思議な青面金剛像だ。右脇には「奉納庚申待二世安楽所」
左脇に年号、その下に武州豊嶋郡十条村と刻まれている。

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足元は邪鬼ではなく蛇模様だろう。その下に一猿と二鶏が彫られていた。
この組み合わせもいままで見たことがない。ユニークな庚申塔と言えよう。